
赤ちゃんやこどもの皮膚は、乾燥しやすい!
生まれる前、赤ちゃんはお母さんのおなかのなかで、羊水という暖かな水のなかに浸かっていました。でも、生まれると、周りの環境は、水から空気へと大きく変化します。赤ちゃんはこの環境変化に必死に適応しようとしますが、皮膚もなにもかもが未熟ですから、乾きやすいのはしかたないのかもしれません。
でも、乾燥したままでは、いろいろ困ることが起きますから、わたしたちはがんばっている赤ちゃんをしっかり守ってあげなければいけません。
どうしたらいいのでしょうか。このブログでは、そのために役立つ知識をたくさんお伝えしたいと思います。今回は、まず、こどもの皮膚と乾燥のしくみについて解説していきます。
こどもは乾燥肌になりやすい
ツルツル・モチモチの肌には、水分が豊富に含まれています。
しかし、空気中にいると、その水分は蒸発していってしまいます。
それを食い止める役割を果たすのが、皮膚の一番外側にある「角質層」です。
角質層には内側に水分をとどめておくための物質(天然保湿因子など)が含まれており、うるおいを保っています。

さらに皮膚の表面には、自然に分泌された「皮脂(ひし)」が膜を張っています。これが皮膚内に貯めた水分の蒸発を抑えてくれているのです。
ただし、小さなこどもでは皮脂の分泌が大人よりも少ないことがわかっています。
そのため、皮膚内の水分が蒸発しやすく、乾燥肌(皮脂欠乏症)になりやすいのです。
さらに、秋冬の季節柄や冷暖房の使い過ぎなどで空気が乾燥していたり、身体を洗い過ぎて皮脂を過剰に流してしまったりすると、より乾燥肌になりやすくなります。
こどもの皮膚は未熟です。
気候などの環境変化に耐えられるよう、保湿をして、皮膚内に水分を貯め、その水分を逃がさないような状態を保ちましょう。
こどもの乾燥肌は皮膚トラブルにつながりやすい
乾燥肌になると、皮膚のトラブルが起こりやすくなります。
なぜかというと、皮膚のバリア機能が低下して、外からアレルギーの原因物質や細菌が侵入しやすくなるからです。

また、皮膚が乾燥すると痒みの知覚神経が伸びて痒みを感じやすくなります。痒いからといってボリボリ掻いていると、皮膚のバリア機能がさらに壊れてしまい、外からアレルギーの原因物質や細菌がもっと入り込みやすくなります。
皮膚がダメージを受けると、多くの場合は湿疹(皮膚炎)が起きます。赤く、熱を持ったようになり、腫れて痒くなります。悪化すると、ジュクジュクしたり膿が出たりすることもあります。
このように皮膚のバリア機能が低下⇒湿疹の発生(悪化)⇒痒みの発生(悪化)⇒掻く⇒バリア機能の低下を繰り返し、どんどん痒みや湿疹が悪化してしまいます。
保湿で乾燥しやすいお肌を守ろう
また、痒みはこどもの生活に与える影響が大きく、ひどくなると睡眠を妨げたり、集中力をそこなって学校の勉強にも支障がおきます。
この悪循環を防ぐために、肌の清潔を保つとともに十分な保湿を行うことがたいせつなこと、おわかりいただけましたか?
お母さんのお腹の中では羊水に守られていた皮膚。生まれたあとも保湿を続けて、皮膚がしっかり成熟するまで守ってあげてくださいね!少し大きくなったあとでも、冬などは乾燥しやすいので、こどもさんのお肌がカサカサになっていないかどうか、気をつけてください。カサカサかな、と思ったら、早めに保湿をするのが、湿疹などを防ぐためにたいせつです。
監修:国立病院機構 三重病院 名誉院長 特別診療・研究役 藤澤 隆夫 先生
資格:日本小児科学会 小児科専門医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医・指導医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医・指導医
提供元:マルホ株式会社
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