月経困難症と睡眠障害_800×418_ (1)

生理の周期に合わせて、眠たくなる経験をしたことはありませんか?

「勉強に集中できなくて、何度も同じ問題を解いている・・・」

「パソコン画面や資料を見ているうちに、意識が遠のく・・・」

「大事な会議に集中できない・・・」

こんなことを繰り返していると、学業や仕事のパフォーマンスにも影響が出てしまいそうですね。

 

こうした睡眠障害には、女性の社会的な役割の多さや生理周期、月経困難症といった病気など、さまざまな原因が関係しているそうです。

ここでは、女性の睡眠を妨げるものについて紹介するとともに、よりよい睡眠のためにできることを紹介します。

 

 

社会的な役割が多いために、眠れていないのかも?

突然ですが、あなたの睡眠時間は足りていますか?

睡眠時間を比較したデータによると、女性では男性よりも睡眠時間が短い傾向にあるそうです1

特に20歳代から40歳代の女性は、仕事だけでなく、家事や育児などによって十分な睡眠が確保できていないことも考えられます。

 

睡眠不足が少しずつたまると、睡眠負債とよばれる状態となり、日中のパフォーマンス低下を引き起こしてしまいます。

だからといって、休日に寝だめをしても「だるい」「頭が重い」「仕事がはかどらない」という状態になってしまうことも。

実は、平日と休日の睡眠時間に差があると、体内時計が乱れて「時差ぼけ」のような症状が出てしまうことがあるそうです。

これは、“社会的ジェットラグ(社会的時差ぼけ)”と呼ばれています。

休日に寝だめをしても調子が良くならないのは、この社会的ジェットラグが原因だったのかもしれませんね。

 

しかも、社会的ジェットラグが大きいと、生理に伴う症状が重くなってしまう傾向があるそうです2

現代女性に求められている社会的な役割の多さが、私たちの睡眠にも影響してしまっているのかもしれませんね。

 

1NHK放送文化研究所世論調査部. 睡眠 2020年調査. 

2Komada Y, et al. Chronobiol Int. 2019; 36(2): 258-264.

 

 

生理周期が睡眠に与える影響

生理周期が睡眠と関係しているということは、皆さんも実感していることかもしれませんね。

 

生理周期と睡眠の関係を理解するために、まずは睡眠についてみてみましょう。

睡眠の状態にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類があります。

レム睡眠は体を休ませるための浅い睡眠で、夢を見ていることが多いといわれます。

一方、ノンレム睡眠は脳を休ませるための深い睡眠です。


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女性の場合は、生理周期にともなって睡眠に変化が起こります。

例えば、黄体期(排卵から月経開始までの期間)では、卵胞期(月経開始から排卵までの期間)に比べてノンレム睡眠が増加し、レム睡眠が減少します3

こうした生理周期にともなう変化は、女性の睡眠の満足度の低さに影響しているといわれています4

 

さらに、生理の“痛み”が原因で寝付けないことが、日中のパフォーマンス低下に影響しているということも考えられます。

皆さんも「生理痛がひどくてなかなか眠れない・・・」という経験をしたことはありませんか?

ある調査によると、月経困難症がある方では、痛みがある時期に睡眠の質が低下したり、レム睡眠が減少したりしていたそうです5)

月経困難症の“痛み”が原因の場合には、月経困難症の治療について相談してみることも大切です。

 

3Shechter A, et al. Sleep Med. 2012; 13(8): 1071-1078.

4Mong JA, Cusmano DM. Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci. 2016; 371(1688): 2 0150110.

5Baker FC, et al. Am J Physiol. 1999; 277(6): E1013-E1021.

 

 

より良い睡眠のために

より良い睡眠のために、まず私たちにできることは規則正しい生活を送ることです。

生活を規則正しくすることで、体内時計が整い、ホルモン分泌や生理的な活動が調節されるため、よい睡眠につながります。

また、バランスの良い食事を心がけ、布団に入る時間を毎日同じくらいにする、寝る2~3時間前にはお風呂に入るようにするなど、自分にできることから試してみるのもいいかもしれません。

日中にどうしても眠くなってしまったときは、15時までであれば30分程度の昼寝をすることもいいそうですよ。

 

そして、不眠の原因となる病気に対しては、その病気の治療をきちんと行うことが大切です。

特に、月経困難症による“痛み”などは、勉強や仕事などにも影響することがあります。

自分の生活を見直してみても「痛みなどで眠れずにツライ」という場合には、婦人科の先生に相談してみましょう。

しっかり原因と向き合って、スッキリとした生活をスタートさせられるといいですね!

 

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監修元:バイエル薬品株式会社


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