
突然ですが、「性交痛」って聞いたことありますか?
性交痛とは、挿入時や挿入後の行為中など、セックスの時に感じる痛みのこと。
性交痛は女性が密かに抱える悩みともいえそうです。
「セックスが痛い」「気持ちよくない」と悩んでいるのに、誰にも相談できずにガマンしていませんか?
今回は、性交痛の原因となる婦人科の疾患について解説します。
女性同士でも話しにくい
性交痛について
性交痛は女性に特有の症状ともいえます。
その原因はさまざまで、性的な興奮が高まっていなくて膣が十分に潤っていないことや、精神的な問題、疲労、婦人科の病気などが挙げられます。
婦人科の病気が関係している場合は、その治療を行うことで性交痛が改善する可能性もあります。
ちなみに、子宮内膜症の方では、およそ半数が性交痛を感じているのだそうです1)。
子宮内膜症とは、本来、子宮の内側(内腔)にあるはずの子宮内膜やそれに似た組織が、腹膜や卵巣など、お腹の中のあちこちで増えてしまう病気で、強い生理痛が代表的な症状です。
生理になると子宮内膜は、膣から体の外に出血として流れ出ていきます。
しかし、子宮以外の場所にできた子宮内膜は月経周期に合わせて出血が起こっても排出されずにとどまるため、子宮がまわりの組織とくっついてしまう原因となったり、痛みや炎症を引き起こしたりするのです。
例えば、子宮内膜が子宮と直腸の間のくぼみ部分(ダグラス窩)にできると、子宮と直腸がくっついてしまうこともあります。
このようにくっついてしまったところをセックスの時に突かれたり引っ張られたりすると強い性交痛がおこるのです。
子宮内膜症があると、セックスの時に「膣の奥の方が痛い」「下腹部に痛みがある」「痛い体位と痛くない体位がある」ことがあるようです。
あてはまる症状はありませんか?
1)百枝幹雄. 子宮内膜症.
P25, 東京, 主婦の友社.
こんな症状も
子宮内膜症が原因かも
子宮内膜症について、もう少し詳しく紹介します。
子宮内膜症の症状としては強い生理痛に加え、生理時以外にも性交痛、排便痛、腰痛、下腹部痛などが起こることがあります。
痛みを無理にガマンして仕事をしていませんか?生理痛は、生理が繰り返されるたびにだんだんひどくなる傾向があるため、仕事を休まなければいけないこともあるようです。
また、排便痛があると排便するのがこわくなって便秘になってしまうことも。
さらに、子宮内膜症のある方の約半数に不妊症が認められるそうです2)。
「子宮内膜症かも?」と思ったら、心配しているよりもすぐに婦人科で相談する方が安心ですよ。
子宮内膜症について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧になってみてください。
2) 日本子宮内膜症協会. 2001年アンケートデータ・基本.
パートナーとも
悩みについて話してみよう
あるアンケートによると、男性の約60%は「男性にも、生理に関する知識がもっと必要だ」と考えているそうです3)。
あなたが思っているよりも、男性はもっとあなたの身体の健康について理解したいと思っているのかも。
パートナーには、まずは生理の悩みについて伝えながら、性交痛のことも相談できるようになれたらいいですね。
なお、性交痛がある場合には子宮内膜症などの病気が潜んでいるかもしれませんから、婦人科に相談してみることも大切です。
子宮内膜症は治療ができますから、お医者さんと一緒にあなたのライフプランに合った治療法を選んでください。
パートナーのために「痛み」を我慢した結果、セックスが嫌いになってセックスレスに・・・というのは、自分にとってもパートナーにとっても寂しいこと。
性交痛に限らず、パートナーに言いたいことが言えないのはツラいものです。
何事もガマンしすぎずに、二人にとってよい選択ができるといいですね。
悩みを一人で抱え込まずに、まずは相談してみましょう。
3)日本財団. 18歳意識調査「第44回 –女性の生理–」(要約版). 2022年2月4日.
監修元:バイエル薬品株式会社
PP-YZF-JP-1140-08-07