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女性の社会進出が進み、男性と同じように働いてキャリアップを目指したり、自分らしいライフスタイルを楽しむ女性も増えてきましたね。

 

いつかは赤ちゃんを産みたいと思っていても、

「仕事で一人前になってから」

「今はまだ自分の時間を楽しみたい」

…と、まだ先の話かなと思っている方も多いのではないでしょうか。

 

実際、女性が第一子を産む平均年齢は上昇していて、2019年には30.7歳と、この40年間で5歳も遅くなりました1)

今回は、こうした変化が、私たちの生理に及ぼす影響についてご紹介します。

 

1厚生労働省. 令和3年度「出生に関する統計」の概況.


 

76.5%の女性が抱える「生理痛」2)

女性を取り巻く環境がいくら変わっても、生理があるのは今も昔も変わりません。

生理痛というと下腹部の痛みをすぐに思い浮かべますが、それ以外にも頭痛や吐き気、めまいなどの症状が出ることもあります。

 

生理痛がまったくないという女性もいますが、ある調査によると生理痛で困っている女性は76.5%、つまり4人中3人に上ると報告されています2

そして、一口に生理痛といっても、ガマンできるくらいの痛みから、鎮痛剤が効かないほどのひどい痛みまで、痛みの程度には個人差があります。

第3回配信_生理痛の程度

また、女性を悩ますのは生理痛だけではありません。

生理の310日くらい前になるとイライラや無気力感、むくみ、胸の張り、頭痛・腰痛などの身体の不調が現れる月経前症候群(PMS)で困っている女性も多くいます。

働く女性の66%が生理前にイライラする、怒りっぽくなる、体がだるいなどの症状を経験しているそうです3

 

2)女性労働協会. 働く女性の健康に関する実態調査. 2004.

3)日本医療政策機構. 働く女性の健康増進に関する調査 2018.


 

現代女性の生理回数は、昔の約9倍に増加

痛みやさまざまな症状を伴う“生理”を、私たちは何回経験しなければならないのでしょうか? 

現代女性の一生の生理回数は、450回程度と試算されています4)

でも、昔の女性の一生の生理回数は、なんとたったの50回程度だったそうです4)

その違いは一目瞭然ですよね!

 

このような違いはどこからくるのでしょうか? 

それは、現代女性のライフスタイルの変化と関係があります。

昔の女性は子どもをたくさん産んだので、妊娠、出産、授乳という生理がなくなる期間が繰り返しありましたが、現代女性は初潮年齢が早めになっていることや妊娠や出産の回数が少なくなっているために、生理回数が増加しているのです。

生理の回数が昔よりも多くなっているために、ひどい生理痛や不妊などの原因となる子宮内膜症という病気になるリスクも高くなっているそうです。

昔は子どもを何人も産んで、生理の回数は少ないのが当たり前でした。そう考えると、現代は生理の回数が多くて子宮が働きすぎといえるのかもしれませんね。

第3回配信_月経回数の比較

 

4) Short RV: Proc R Soc Lond B Biol Sci. 19761951118):3-24.



生理”は経済活動にも影響

生理が来ると、トイレのことばかり気になって、仕事や趣味に集中できなくなった経験はありませんか?

痛みがある時は、少しでも早く帰って横になりたいですよね。

 

実は、生理中に感じる身体の不調は、仕事に大きな影響を及ぼすことが分かっています。

働く女性を対象としたアンケート調査によると、なんと94%の方は生理前や生理中の不調で普段よりも仕事のパフォーマンスが低下し、45%の方はパフォーマンスが普段の半分以下になると回答しています3)

こうしたパフォーマンス低下により、働く女性1人あたり年間で約16,0005,6)、全体では約4,911億円の労働損失が出ると試算されています5。女性の生理は経済にも大きく影響しているといえそうです。

第3回配信_パフォーマンスの変化

5)Tanaka E, et al.:J Med Econ. 2013;16(11):1255-1266.

6) 厚生労働省雇用環境・均等局. 令和元年版 働く女性の実情.


 

生理痛と上手に付き合おう!

生理痛の治療にLEP製剤という選択

毎月やってくる生理が原因で、仕事のパフォーマンスが低下したり、趣味やイベントを思いっきり楽しめないなんて、ちょっと悲しいですよね。

生理痛がひどくて横になったまま動けなかったり、学校や会社を休んでしまったりするほど症状が重くて、日常生活に支障が出るような生理痛は「月経困難症」と呼ばれます。

でもこの月経困難症、きちんと治療をすることができるんです。

 

月経困難症を治療する選択肢の一つに、低用量の卵胞ホルモンと黄体ホルモン、2種類の女性ホルモンが含まれた卵胞・黄体ホルモン混合剤(LEP製剤)があります。

LEP製剤を一定期間、毎日飲むことで、生理に伴う女性ホルモンの変動を少なくして、排卵や子宮内膜が厚くなるのを抑えたり、月経の回数そのものを減らしたりします。

つまり、働きすぎの現代人の子宮を休ませてあげるイメージです。

これにより、ひどい生理痛の軽減や、月経困難症の改善が期待できます。

なお、LEP製剤は医療機関で処方してもらうことができます。

 

ちなみに、月経困難症などの治療については、医療機関で治療を受けた方がセルフケアを行うよりも費用対効果が高いという報告があります7

大事なお金は上手に使って、毎日を気持ちよく過ごしたいですよね。

生理痛がひどい方は、一度、婦人科で相談してみてはいかがでしょうか。

 

7Arakawa I, et al.: Cost Eff Resour Alloc. 2018 Apr 10;16:12.

 

監修元:バイエル薬品株式会社

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